3/30(tue) Mongolia vs SAMURAI BLUE 19:30 KICK OFF

体操協会と宮川選手の問題に関して感じたこと

こんにちは! ウイキシ(@uikishi)です。

スポーツ界のスキャンダルが続いている昨今ですが、今回は体操協会が揉めています。
ただ、今までのように一方的に悪者がいるという状況ではなく、選手側にも「?」が付く状況だったため、自分の備忘録として所見を纏めてみました。

当記事を読む前にできれば会見での宮川選手の言葉を聞いてから読んでみて下さい。

 

 

 

そもそも論

宮川選手は「オリンピックで良い結果」を出すために、信頼をできるコーチと練習をしたい。

協会は優秀な選手へ適切なサポートをして「オリンピックで良い結果」を出したい。

どちらも目指しているゴールは絶対に同じはずなのにここまで拗れてしまっているのは残念です。

 

率直な感想

選手側

会見を全て見て、協会からの陰謀や報復とも言えるコーチへの処分に関しては第三者委員会の調査を待たないと何とも言えないと感じました。パワハラという部分に関しても実際に恐怖を感じた部分があったのは間違いありません。

ただし、ひとつだけ気になる点は宮川選手は今後代表の強化指定選手から敢えて外れる事のリスクをどこか人のせいにしている気がします。
現状、速水コーチとの練習という点を諦めれば代表としての活動自体はまだ継続をできる状況だと推測されます。そしてコーチとの練習を代表活動より優先順位を上げているのも宮川選手本人であるはずです。その結果、練習場所、コーチ、強化のための試合機会のサポートが減ってしまうのは当然です。選手選考に関しても多少不利になってしまうでしょう(試合機会やコミュニケーションといった部分で)。また、会見では協会からの圧力があったというニュアンスを出していましたが、選手が納得をしているとはいえ暴力を振るっていたコーチが代表のコーチ職に関われなくなるのもごく自然な流れです。

これは邪魔をされたのではなく、受け取れるはずだったサポートが無くなったというだけの話です。宮川選手とその家族が速水コーチと練習をすることでそれ以上のメリットがあるというのなら、そこはリスクを負ってチャレンジをすればよいのではないでしょうか?個人的な意見で言えば、自分が信じる道を行って、選考会で圧倒的な記録を出し、ドヤ顔でオリンピックで活躍して欲しいと願っています。

協会側

また、協会側にももっと柔軟な対応はできなかったのかという疑問はあります。「強化指定を断る」「国際大会への参加を辞退する」といった選手は恐らくこれからも一定数は出てくると思います。しかし、その選手達の最終目標はオリンピックなどの大きな国際大会で良い結果を出すという事に向けられているのではないでしょうか?

全面的なサポートができなくなるのはしょうがないとはいえ、邪魔をする必要も全く無いと思います。協会の実績を作るのが目的なのか、オリンピックで結果を出すことが目的なのかが正直不信感しかありません。全体練習にも来ないし、普段何やっているかも分からないけど、選考会でいい結果を出して大会でもいい結果を出す選手がいれば、心の中ではモヤモヤしていても監督としては起用をするのがプロフェッショナルではないでしょうか。
具体的な例で言えばナショナルチームでの活動を辞退しているマラソンの川内選手ですが、ボストン・マラソンで優勝という偉業を達成しています。協会のメンツは丸潰れでしょうが、素晴らしい結果を出しています。

 

選手選考という専権事項

体操に限らず選手選考というものには常に批判がつきまといます。特に相対的な基準で評価をする対人競技に関してはより顕著でしょう。
私は仕事柄サッカーの監督を身近に見ることが多いですが、100%全員が納得をする選考などあるわけがありません。メンバーに選ばれなかった選手がまず最初にすることは人のせい(主に監督・コーチ)にすることです。東京オリンピックが近づいて、選手選考が始まりだすとこれまで以上に、メディアは陰謀論や協会の腐敗を取り沙汰してくる事が増えてくるでしょう。

そもそも選手選考というのはサッカー日本代表の場合は監督の専権事項です。外野が何を言おうが、カズを外した岡田監督が選んだ23人がベストメンバーということになります。そこに対してスポンサーの圧力が~とか、協会からの圧力が~とかは想像をするだけ無駄です。
4年に1度の国際大会で権力争いやメンツを結果よりも気にする現場の人間はさっさとこの仕事を辞めたほうが良いと本気で思います。

東京オリンピックの選手発表の際に、選手選考の権限を持つ方が、しっかりとメディアの前で「メダルを獲得するためです」と自信を持って発言してくれる事を切に願っています。

 

最後に

最後に私がこの件に望むことは、宮川選手には自分の信じる道でチャレンジをする環境をまずは掴んで欲しい。資金面、練習環境、様々な精神的なプレッシャーと越えるべきハードルはすごく高いですが、応援をしたいと思います。そして協会幹部にはメンツではなく、日本の体操界の未来を担う矜恃を持って活動をして頂きたい。

スポーツ関係者として東京2020の女子体操で良い結果が出ることを祈っていますし、宮川選手のチャレンジが例え失敗に終わったとしても全力を出し切ったと笑顔で会見をしてくれるような2年後になっていることを期待しています!