3/30(tue) Mongolia vs SAMURAI BLUE 19:30 KICK OFF

サッカートレーニングの基本的な考え方

こんにちは! タケコーチ(@uikishi)です。

休日のお父さんコーチや、お子さんの個人練習に付き合う際にトレーニングメニューに困っている方は多いのではないでしょうか。

今回は小学生など育成年代でトレーニングを考える時に気を付けるポイントです。

 

段階を見極める

私は大きく分けて3つの段階に分類をしています

①自分の身体が上手く使えない段階

・走れない
・止まれない
・曲がれない
・バランスが悪い

こういった状態の時にボールを使う練習をするのは効率的ではありません。まずは自分の身体をコントロールする練習をしてみましょう。

流れとしてはクローズドスキル(自分の動きのみ)からオープンスキル(相手に合わせて技術を発揮)へと発展させていきます。

具体的には

コオディネーション能力向上のためのトレーニング
アジリティトレーニング(ラダーなど)
鬼ごっこ

などが効果的です。
この時期のパーソナルトレーニングはとても効果的です。保護者の方のサポートはもちろん、専門家のトレーニングを付ける事で効率よくレベルアップする事が可能です。

メリットだらけ!?鬼ごっこやってますか?

 

②ボールスキルが無い(または足りていない)段階

次のステップがボールスキルが無い状態です。
あくまでも周囲の子供達との相対評価となりますので、スタート時期が遅いとボールスキルの部分では不利になります。

・ドリブルができない
・キックができない
・トラップができない

保護者からの質問で一番多い部分になりますが、正直8割方は①の段階で詰まっています。そもそも走れない・止まれない・バランスが取れない選手はキックやトラップの土台がありません。

逆に①の土台がある場合は動作イメージが無い場合がほとんどなので、ドリルトレーニングなどを通じて丁寧に教えて行けばスムーズにボールスキルを発揮できるようになっていきます。

目安(小学校2年生)

スピードをコントロールしながらジグザグドリブルが出来る
真っすぐにボールが蹴れる
(チームメイトの蹴る)ボールがトラップできる

↑のようにクラスごとに基準を持っていますが、この部分は周りのレベルが上下すれば設定が変わるのであくまでも参考としてご確認下さい。

 

③サッカーの試合ができる(楽しめる)段階

実際に仲間とプレーをしながら、サッカーのパフォーマンス向上を目指す段階です。

この部分からは個人→グループという要素が追加され、一気にトレーニングが複雑化されていきます。詳しくは次の項目で説明していきます。

 

サッカーはサッカーをすることで上達する

良く聞くフレーズですね

同様に聞くフレーズは「トレーニングのリアリティ」

ここで注意をする必要があるのは、「ゲーム」をやらなければならないと感じてしまう事。

大事なのは先ほど説明した③の段階にいる選手に対して、サッカーの要素である8つの負荷を理解してトレーニングに落とし込めているかどうかだと考えています。

サッカーにおける8つの負荷

1:ボール
2:相手
3:チームメイト
4:ゲームのルール
5:ゴールの方向
6:ストレス
7:時間
8:スペース

難易度・負荷を調整する場合はこの8つを上手く調整していきます

<負荷を軽くする例>
ボールを使わない
相手を減らす
ゴールを増やす
DFのスタート位置を遠くして判断の時間を確保する

<負荷を上げる例>
ゲームのルールを複雑にする
コートを狭くする
タッチ数を制限する

少し難しく書きましたが、休日にお子さんと個人練習をする場合にはこんな事をアレンジしてみるとただのドリブルスキルのトレーニングからサッカーのトレーニングに変化します

・ゴールを設定する
・DF役をやって邪魔してあげる
・コーンなどでパスコースを設定してあげると選択肢ができる

中央にキックor両サイドをドリブル通過で勝ち。
狙いは選択肢を持った中での駆け引き&技術発揮。

トレーニングをしたい要素から逆算をして、要素を足したり引いたりしていく。ここが難しい部分でもあり、トレーニングメニューを考えていて楽しい部分でもあります。

こういうのは料理にも通じるところがありますが、自分が出したい料理(メニュー)と相手が食べたい料理(メニュー)は違う事があるので、どうアレンジして納得させるのかも小学生年代ではとても大事ですね。

 

補足資料

オランダサッカー協会では4対4がサッカーのゲームの要素を含んだ最小単位と考えている(JFA U-12 指導方針2010より)

レベル差が激しい中で8対8をやるならレベルを分けて4対4をした方がボールタッチの質・量を考えると双方にメリットがある。

ゲームのやり方も

・人数の調整
・エリアの調整
・フリーマンの有無
・タッチ数制限
・キーパーの有無

などちょっと変えるだけでも様々な刺激を入れる事ができます。
楽しみながらレベルアップできるようなトレーニングを常に意識していきましょう。

 

まとめ

選手のレベルに応じたトレーニングを組み立てましょう。

サッカーはサッカーの(要素を含む)トレーニングをすることで上達するのは間違いありませんが、試合のみで上達するわけでもありません。

初心者にゲームの楽しさを知ってもらうためにゲームをしよう!というのは経験上あまり効率が良くありません。上手くいかないから面白くないとなるのが王道パターンです。

①と②の段階でのトレーニングにサッカーの要素をプラスしながら様子を見て、行けると思ったタイミングで2対2や3対3などで成功体験をさせる(ゴールを決めるなど)。のが遠回りなようで実は近道だったりします。

選手の事を一番観ているのはコーチであり保護者の皆さんです。
プロだろうがアマチュアだろうが関係ありません。頭がパンパンになる位毎日考えて、その時点で自分がベストだと思うプログラムを提供してください。それが責任であり義務だと思います。