3/30(tue) Mongolia vs SAMURAI BLUE 19:30 KICK OFF

メリットだらけ!?鬼ごっこやってますか?

こんにちはウイキシです。

みなさんのチームでは鬼ごっこをやってますか?
鬼ごっこは”走る””止まる””曲がる”といった、球技に必要となる基礎的な運動能力のトレーニングとして非常に優秀です。

今回の記事で定義をしている球技はサッカー・バスケット・ラグビー・ハンドボールといった1つのコートに両方のチームがいて同時にプレーをする種類のものになります。バレー・テニス・卓球などのゾーン分けがされている球技や野球のようなターン制の球技は含まれていません。

また、残念ながら効果的に働くのは子供限定です。
大人はそもそも鬼ごっこを全力でやろうとしません(笑)

専門的な話も入りますが、是非最後まで読んでみてください

 

球技と鬼ごっこって関係無くない?

と思った方はすごく勿体ない勘違いをしています。
球技で個人がボールにダイレクトに関与している時間はサッカーで1分!!

実はボールに関わる時間というのは割合としては少なく、その他の時間は適切な位置へポジショニングを取るという行為を繰り返しています。

そして鬼ごっこにおいて最も重要となるのがこの「適切なポジショニング」というキーワードなのです!

 

ベースとしてのスキャニングという概念

これは元アーセナル監督のベンゲルさんの表現で
端的に言うと周りを見て情報を入れましょうという話です。

すごく良い記事なので是非読んでみてください

参考 「スキャニング」とは?footbollista

情報の処理は

観る
判断する
実行する

のループです。
しかし、沢山点を取っているような子供達の中にも”観る”が出来ていない子はとても多いんです。

身体が大きくて足が速い、強いボールを蹴れる、ドリブルで2人躱せるといった特徴があれば地域の大会なら得点を量産するでしょう。

しかし、中学生以降ではセレクションやリーグ分けにより選手間のレベルが揃ってきます。その中で試合で活躍できるかどうかを分けるのが基礎運動能力、基礎技術、戦術理解を含む状況判断となります。

そして状況判断のベースとなるのがこのスキャニングという概念なのです。

 

認知→判断→実行→評価の無限ループ

私が良いトレーニングだなぁ と思うトレーニングの条件は主に
・課題へのチャレンジ回数が多い
・楽しい
・適度にキツイ
・選手自身で〇と×の判断ができる
・負荷を調整しやすい

といった項目があります。

小学生にとっての鬼ごっこはこの全ての条件を満たす魔法のようなトレーニングです。
(※大人の選手は楽しくないし、キツ過ぎるので条件を満たしません)

その中でも一番大きなメリットとして「適切なポジショニングを選手自身でチェックできる」があります。
球技ではコーチが「良いポジションで待とうね」と言っても、秒単位でボールのポジショニングは変化し、相手も味方も好き放題に動き、あっという間にコーチの考える「良いポジション」はどこかへ行ってしまいます。

更に「良いポジション」を取っていてもボールを持っている選手のパスを出す能力が低ければパスは来ません。
ボールが来なければ子供たちにとっては「つまらないポジション」になってしまいます。

しかし、鬼ごっこの場合は逃げやすいポジショニング・捕まえやすいポジショニングを取る事ですぐに〇と×の結果がでます。

良いポジションとは例えば
・鬼が遠い
・鬼の視野から外れている
・逃げる方向が複数ある
・逃げるためのスペースがある

もっとシンプルに言うと
沢山捕まる→✖
全然捕まらない→〇

そこに対して沢山走っているかどうかは全く関係ありません。効果的にポジショニングが取れていれば本来全力でダッシュをする必要は無いのです。

さらにこの内容を連続性を持った中でできるとなればもう最高でしょう。

 

アジリティ能力と持久力の向上

加速する・止まる・方向を変える・体の向きを変える・横に動く・カーブするといった様々な重心の変化を能動的・受動的に加える事が出来ます。

①逃げる場合は能動的に自分の行きたい方向を決定して重心移動

②追いかける場合は相手の逃げ道に反応・予測をして重心移動

と2パターンのトレーニングが可能です。
①はオフェンス
②はディフェンス

どちらの場合もランダムな重心移動が入りますので、アジリティのトレーニングとして高い負荷をかける事ができます。
※高すぎる場合はクローズドなスキルトレーニングに移行してまずは動けるようにする

更にトレーニングの人数・広さ・時間・休憩時間を上手く調整することで持久力にも負荷をかける事ができます。

 

応用が利く

当然逃げているだけでは球技には活かせません。
サッカーには8つの要素がありますが、その要素を上手く導入する事で「ただの鬼ごっこ」から進歩したより効果的な「サッカー向け」の鬼ごっこにカスタマイズすることができます。

サッカーに近づけたければ
・ボールを使う:ドリブルで鬼ごっこ、パスだと広義では鳥かごも鬼ごっこの一種
・攻撃方向や守備方向を決定する:ケイドロや宝の奪い合いのようなルール設定
・味方と相手を付ける:チーム戦

といった要素を追加していけばOKです。

 

難しい点

基礎的な能力となるので、ここから球技に繋げるにはもうひと手間・二手間が必要。

サッカーの場合は競技における適切なポジションの概念を伝える必要がある。
・攻撃方向
・体の向き
・ボール、味方、相手との関係性
などグループ戦術としての基礎から応用まで。
ここはコーチの腕の見せ所です。

 

最後に

選手達が汗をダラダラ流しながら楽しそうに鬼ごっこをしているのなら間違い無くそのコーチはいいコーチでしょう。
オーガナイズが非常に難しいトレーニングですし、良い鬼ごっこは1石10鳥位のコスパがあります。

実際に球技を指導をしているコーチであれば、明日のトレーニングに是非鬼ごっこを導入して試してみてください!