発展性を持ったアジリティTRのススメ

こんにちは! タケコーチ(@uikishi)です。

サッカーなどの球技において重要なアジリティ能力。昔はウィニングイレブンとかでも敏捷性っていうステータスがありましたが、今はなくなっちゃったみたいですね。

そもそもアジリティって何?っていう方や、何でアジリティが重要なの?という方は先にこちらの記事をお読み下さい。

サッカーの競技特性と特異性を理解したフィジカルトレーニングのススメ

サッカーやバスケットの指導現場を見るとアジリティが非常に雑に扱われている場面をよく目にします。具体的にはトレーニングプログラムが選手のレベルに合っていなくて、簡単過ぎたり難し過ぎたりしています。

今回は分かりやすく大きく4つのパターンに分類してみました。上手く使い分ける事で劇的にアジリティトレーニングのクオリティを上げる事が出来ると思います。

 

①基礎能力のトレーニング

学校の勉強と同じで、フィジカルトレーニングもただ難しい事やレベルが高い事をひたすらやればいいわけではありません。

選手の能力に応じて適切な負荷をかける事がとても大事です。

①のトレーニングは全体の土台となる部分です。要素としては

・パワー発揮、筋力、筋持久力
・持久力
・バランス保持能力(動的・静的)
・コオディネーション能力(定位能力や連結能力)
・体幹の安定性

といったモノがあげられます。
注意点として

  • ①だけをトレーニングしてもアジリティ能力は効率よく伸びない
  • ②~④のトレーニングが伸び悩んでいる時は①の能力不足を疑う
  • 小学生の間は要求される①の能力は少ないが、身長が伸びる&体重が重くなる&プレースピードが上がると要求される①の能力は加速度的に増えていく事。

リハビリなどでもここの部分からアプローチするように、使わなければすぐに退化してしまう部分でもあります。

最近では育成年代でのコーディネーショントレーニングの重要性がクローズアップされていますが、魔法のトレーニングでも何でもありません。距離感やリズム、バランスや力の入れ具合といった本当に基本的な部分を効率良くトレーニングするための手法の一つです。

纏めると、育成年代であれば将来の土台を作る。年齢が上がってくると最終的なパフォーマンスから逆算をして必要十分な基礎能力を身に着けて行く事が重要です。

 

②クローズドスキルトレーニング

次の段階が自分一人で動きを作っていく段階になります。

ここで出てくるのが一通りみんな経験してすぐ飽きるラダートレーニング。ラダートレーニングとマイクロハードルのトレーニングは複数を相手にトレーニングをする時にはとても有効です。

動きの基準を作りやすく、ミスをすると選手が自分で気付くことができる。もちろん金銭的な負担や、ミスへの恐怖心による動作へのデメリットもあります。

 
例えばサッカーであれば、対面パスの止める・蹴るというのは本当に重要視するはずです。ある意味奥義に近い部分があると思います。

https://twitter.com/kengo19801031/status/1236869488588406784

アジリティにとってのクローズドスキルも同様です。

動き出す・止まる・スピードを極力落とさないように向きを変える・カーブする・左右にステップをする・後ろに動く。

全て自分の身体を効率良くコントロールするためには必要な要素です。特に「止まる」能力と「方向を変える」という動作を片足で出来るかどうかというのはボールを足で扱うサッカーという競技において非常に重要な要素となります。

 

③オープンスキルトレーニング

ここからは相手の動きに合わせて動作スキルを発揮する段階のトレーニングとなります。

分かりやすい例で言うとミラードリルなどになります。

この場合は1方向のみですが、多方向で行う事もあります。

ドリブルの1対1や、ドッジングの練習などもこのレベルに含まれます。よくバスケット選手などがやるステップからの合図で地面タッチやジャンプなども分類的にはこれですね。

基本的には認知→判断→実行のプロセスが非常にシンプルなトレーニングから、フェイントがありのトレーニングまでを一括りで考えます。

そもそも②の段階で走れない・止まれない・向きを変えるのが遅い場合は、この③のトレーニングをやってもクオリティが落ちるだけで効果的で無いのが分かるはずです。

 

④カオスな状況下でのトレーニング

ここまで来ると対象物を増やしたり、ルールをさらに複雑化していきます。

大きな分類ではサッカーの競技もこの範疇に収まります。この段階になると、ただ鬼ごっこをやるよりもポゼッションの練習をやった方がいいという考えもあながち間違いでは無いと思います。


経験上④をボール無し→ボール有りにすると逃げる方のクオリティが下がり過ぎてトレーニングの繋がりが無くなるからです。だったら最初からオフェンス8人対ディフェンス3人などの適正な負荷でボール有でやった方が効率がいい気がしています。

ただ、やらなくて良いと言っている訳では無く、攻撃側のレベルが上がれば守備の強度を上げるために①~④のPDCAを回し続けるというのが最近の私のアプローチになります。

2020年トレーニングログ

 

まとめ

車で言うと①がエンジンやボディの改造です。全て個別の要素のトレーニングを通じて改善が見込めるトレーナビリティのある項目です。

フィジカルトレーニングを全くやらなくていいという人はイニシャルDの読み過ぎです。天才以外はランエボに乗ったちょっと上手い素人には86では勝てません。安定してパフォーマンスを発揮するためにも、改善できる部分にはアプローチをした方が無難です。

②~④は実際の動きを使ったトレーニングです。
このトレーニングを通じてもパワーのトレーニングやバランスのトレーニングは副次的に可能です。プロのフィジコ達は②や③のトレーニングを通じて①の要素をトレーニングしたり、障害予防のトレーニングを仕込んでいきます。
ある意味職人芸なので、興味のある方は勉強してみて下さい。

具体的なトレーニングプログラムは敢えて上げる事はしません。
何故なら皆さんが見ている選手達は絶対に同じ選手はいないし、日々見ているコーチの判断は精度が高い事も感覚的にしっているからです。私のトレーニングログは公開していますし、質問などあれば気軽にDMやリプから送って頂いても大丈夫です。

是非4つのパターンを少し頭の片隅に入れて、①~④を上手く行き来してみて下さい。インサイドキックと同様に身体の使い方も基礎こそ王道です。