こんにちは! ウイキシ(@uikishi)です。
今回は実際にプロコーチとしてサッカーを中心に収入を得ている立場から、業界の話をしていきたいと思います。
バイトをしないで生きていけるプロのサッカーコーチになる方法は3つあります
①求人に応募して採用を勝ち取る
②コネで声をかけてもらう
③自分でチームやスクールを立ち上げる
ザックリ分けるとこんな感じです。
私の場合はバイトから年収400万までステップアップできましたが、特殊な例だと思います。
これからサッカーのプロコーチを目指している人が最初に目指すのはJリーグに加盟をしているチーム。もちろんJ1のチームを希望している人がほとんどだと思います。
結論から言えば、『皆さんが思っているよりもハードル低い』です。
Jリーグのチームや強豪街クラブには、大きく分けて育成と普及という分類があります。
育成はジュニアユースチームなどアオアシの世界に出てくるような、プロ候補生たちを指導する監督やコーチ。こちらはガチガチの世界なので外部向けに求人なんかは出てきません。
対して普及は主にサッカースクールのコーチとして一般の子達を教えたり、地域の学校や少年団に派遣されて指導を担当したりするコーチ達です。
そして普及のコーチというのは給料も安い(+上がらない)、激務、育成を夢見て入ると環境の違いに絶望していきます。実際私の知り合いでも就職しても数年で辞めてしまったり、会っても愚痴ばっかり言っている人が多いです。
その結果離職率が非常に高く、毎年のように募集がかかります。
参考 2020年度スタッフ募集マリノスサッカースクール注意点としては、募集のタイミングが年末~2月位になるという事位ですね。その時期には普及コーチの募集はチョコチョコ出てきます。
給料や待遇の面でおススメはしませんが、とにかくプロになりたい!Jのコーチというステータスが欲しい!という人はどんどんチャレンジしてみてください。
私の場合は地元という事もあり、「V・ファーレン長崎の普及スタッフに就職して、45才まで現場に出たい!」というのが今の目標です。
という人向けにおススメなのは海外でのコーチの求人です。
中国はもちろんシンガポールやマレーシアといった東南アジア系は結構求人が流れてきます。
給与面では手取り14~20万位+家賃光熱費は先方持ちみたいな条件が多いイメージ。
通訳を介して現地の子供達に教えるパターンと、現地に滞在している日本人に教えるパターンの2パターンあります。
若くて独り身の時だったら2~3年間シンガポールに行って英語の勉強しながら、貯金をして更に現場経験を積むというのは今考えるとありな気はします。
日本でのコネや繋がりが無くなるリスクはありますが、今だとブログやnoteやSNSやyoutubeでいくらでも発信できる時代なので、トータルの収益という意味では簡単にプラスに持っていけるはずです。
身も蓋も無い言い方ですが、この業界はコネが9割です。
ネガティブな意味ではありません。特に育成に関わるスタッフの場合、1年契約で毎年が勝負な中全く知らない人に背中を預けられますか?っていう話です。
監督・コーチ・GKコーチ・フィジコなどはセットで動く事も多いですし、育成のコーチもあるチームを首になっても他の育成の他のカテゴリーに収まるケースはかなり多いです。
そもそも育成スタッフになりたいのであれば、選手時代の経歴がある程度無いとコネで推薦もしてもらえませんし、基礎的なハードルが高いっていうのはあります。
ただ、JAPANサッカーカレッジの卒業生でJの育成スタッフにいる友人もいますし、全く無理って事はありません。
ちなみに育成スタッフの場合、1000万クラスで貰う人も出てきます。
ただ、基本単年契約なので、切られる時はバッサリ切られます・・・
業界で長く飯を食べてる人は、真面目で同じ職場で勤め上げてる人か、選手時代のコネやコミュ力を生かして転々としてる人が多い印象です。
ここ最近印象的なパターンとしてはTwitterやnoteなどで発信力を高め、業界内での繋がりを持って実際に就職まで繋げるパターン。
純粋なコネとは違いますが、昔ならあり得ないルートでプロになる道です。
この場合は分析やマーケティングの仕事が多いですが、林 舞輝さん(@Hayashi_BFC)のように監督まで上り詰める人も出てきています。
コーチの場合は良くも悪くも職人気質な人が多いので、発信力を高める方向に特化している人は少ないですね。私もブログをやっていますが、間違った事を書くとボコボコにされそうなプレッシャーを感じながら記事を作成しています。
全くいない訳では無いのですが、積極的に情報発信をしているのは街クラブのお父さんコーチのブログとかが多いです。各年代のトップカテゴリーにいる人達は現場が忙しくてそういうのは出来ないっていうのが大きいですかね。
毛色は違いますが、コーチ・ユナイテッドさんなんかはトップの指導者の声が聴けて、実際の指導も観れるのでオフシーズンに纏め見するのはおススメです。
参考 COACH UNITED公式ページ
JAPANサッカーカレッジの同級生でチームを立ち上げている友人が数人いますが、儲かっている印象はありませんが楽しそうに仕事をしているのは伝わってきます。
地域の商店街にスポンサーになって貰って合宿に行ったり、スポーツイベントを開催したり、全国大会に出場したりと結果も出しています。
お金の話をガッツリすると、チームでもスクールでも儲けを出すのはかなり大変です。私の年俸の400万でも個人でスクールを運営すると考えるとゾッとする手間がかかります。
・信頼できるスタッフが自分を入れて3人いる
・初期費用として1000万+人件費が動かせる
・チーム活動はしない
とかですね。
練習場所の条件面次第ですが、上手く交渉できれば、都内で週休2日で3人とも年収400万+αは全然いけると思います。
あとはこれをスケール化していけばいいのですが、少数精鋭のスタッフだと2~3人退職するとビジネスモデル自体が崩壊します。良いコーチングスタッフは高いし、手取り20万で働き続けられる30代はいない事も肝に銘じてください。
そして、夢が無いかもしれませんが、ジュニアのチーム活動は儲かりません。というか儲かってはいけない空気が日本にはあります。
例えば、すごく強いチームで定員10名のセレクションに100人来るチームがあったとしましょう。セレクション料2万円を取れば、記念受験の選手が減ったとして20人でも40万円です。ただ、信じられないレベルで炎上するでしょう。
同様に会費も本来人気があるクラブは価格を上げるべきです。
全天候型のグラウンドを用意したり、良いコーチングスタッフを採用したりしているのですから当然です。でないと頭の良いコーチングスタッフからこの業界に見切りをつけて退職をしていってしまいます。
実際にそれで業界を去っていった私より優秀な人を何人も見ています。
良くも悪くもこの業界は情熱に支えられているのは間違いありません。
日本の良いところはボランティアでコーチをされている方の意識が高く、責任感を持ち、高い目標を持って活動されている事です。
悪いところはプロのコーチを目指している人達がビジネスに拒否感を示してしまう事です。若くて安い労働力が重宝され、本当に能力や魅力のあるコーチが業界を去ってしまっている現状は本当に残念です。
プロとして活動できるコーチが増えて欲しいですし、日本サッカー界の発展のためにはそれは絶対的に必要な条件でもあると思います。
これからプロのサッカーコーチを目指す人、今の自分の給料に満足をしていない人はすぐにでも個人で発信力と収益力を高める努力を始めるべきです。
普段から人前に立って自分の考えを伝える事を仕事にしているコーチ達はyoutube向きの人も多いはずです。